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本当にあった怖い話をしよう

本記事はアフィリエイト広告を含みます。

 最近、世の中では「怪談」が流行っているらしい。

 職業:YouTuberという人が出てきた時に「ほんまかいな」などと数年前の自分は思っていたのだが、
今は「職業:怪談師」というカテゴリーができているらしい。

 ちなみに私が一番怖いのは口座から引き落としのある日に残高が足りない事である。

 お化けで死ぬ人間は全国でも年に数人だろうが、金のトラブルで死んだり消息不明になる人間は山ほどいるからだ。

(2021年10月6日初稿
 2023年9月4日加筆
 2023年9月19日加筆)

目次

怖い話と怖い現実

怖いフィクション

 私はマニアという程ではないがそこそこに怖い話というのが好きだ。
 
 中学生で名著「新耳袋」に出会い、濃い支持層で有名だった深夜ラジオ「誠のサイキック青年団」(ABCラジオ)の怪談特集を楽しんだ事から始まって今でもYouTubeで北野誠がやっている怪談話(CBCラジオ)を勉強しながら聞いている。

 勉強しながら怪談を聞く受験生というのもそれ自体怖い話に片足を踏み入れている気がするが、怪談を聞きながら床について眠りに入るというのも何かあると嫌なので聞き流し程度にしておく方が精神的には良い。

 怖い話について5ちゃんねるなどでスレが立つと必ず見かけるのが、「生きている人間の方がよほど怖い」という意見である。

 が、今は「人怖(ヒトコワ)」なる「怖い人間とかかわってしまった話」というジャンルが生まれているので森羅万象怖くないものなんかもう無いんじゃないかとその貪欲さが恐ろしくなったりする。

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 個人的に一番怖い実話系怪談はというと、「営業のK」なる人の著作(全11巻)だと思う。

 この人、本職は会社員なのだが会社の公式HPのコンテンツとしてブログを書きなさいと言われて

「ガチで怖すぎる怪談」

を連載し続けてネットニュースにもなった面白い人である。

その後、実話系怪談の本を何冊も書いているのだがこれが又怖い事。

文章ってイマジネーション次第でいくらでも怖い状況を作り出せるから本当に怖い。

逆にyoutubeとかで語られてる怪談は話者の声や語り口で情報が与えられるので想像力が膨らまないので怖くない。

紹介するのは10冊組の1冊目。kindle unlimitedだと無料で読めるよ。普通のkindle版だと有料です。

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現実が怖いよ

 私はパニック発作経由で鬱病になった人間なので生きている事自体が怖くて仕方なくなる時がある。

 何が怖いかと言われても具体的に怖いものがなく、ただ「怖い」という強烈な感情とそこに存在している自分しかないので自分の存在自身が恐ろしいという精神状態になるのだ。

 安定剤や酒でやり過ごす事はできる分昔よりはマシになった。

 大元は過労やパワハラなどのプレッシャーが元で不安感や恐怖感に駆られるようになった所からなのだろうが、もう今はその仕事ともパワハラ上司とも縁が切れている。

 なのにまだ、身体は一度覚えてしまった強い恐怖を何回もリピートしようとする。

 宗教的素養も哲学的素養も存在に関する感性というものがかけらもない身にとっては自分のあり方をどうこうなぞできはせず、金欠時の請求書や定期試験と同じくらい自分の在り方というのは怖いよなあと思う。

 ちなみに、現在(2023年9月4日)はストレス発散の為と称してスマホガチャに八万円も突っ込んでしまい病院代とガソリン代しか手元に残らない計算結果に怯えている。

怪談の玉手箱やで

病院の怪談(舞台説明)

 のっけから読み手をおいてきぼりの自分語りをしてしまったが、気分転換にいわゆる「怖い話」について自分の経験を少し。

 自分が目にした中での話だが、病院(それも夜)で起こった怖い話というのは鉄板ネタとして使われている。

 そんなにも夜の病院というのはヤバいスポットなのだろうか。

 実は私、数年前夜の病院で働いていた事がある。

 某日本赤十字病院の救急外来で受付事務の仕事に派遣社員として就いていたのだ。

 救急外来というのは救急搬送されてきた患者への対応と、診療時間外に緊急で受診を希望してやってくる患者さんへの対応が主な業務である。

 たまに昼間普通に外来があいている時間なのに救急外来に自分で来る患者さんがいたりしたが、これは昼間の外来は待ち時間が半端なく長いので日中は割と空いている救急外来で待たずに診察を受けようというスレた方々である。

 本来は救急治療が必要な患者さんの為の部署なのでこういうリソースを割り込みで消費するのはやらない方がいい。

病院の怪談のリアル

病院といったって千差万別なのよ

 日本赤十字病院ともなると大病院で職員も多いが、日中稼働している部署はほぼ正職員で占められている。

24時間稼働していて土日勤務や夜勤がある救急外来だけ、派遣社員が担当する形になっていた。

正職員を不規則な形で勤務させるのは一週間の労働時間の上限とか労務管理が面倒なので派遣に丸投げしてしまおうという階級意識丸出しの人事ではある。

 当時は夜勤も当たり前のようにしており、夜の病院という怖い話的にはネタの宝庫になりそうな職場であったがそっち系の話とは全く縁が無かった。

 どちらかというと仕事のミスをつるし上げられたり、「あなたの処理が遅いとそれだけ患者さんへの処置が遅れるの分かってる?」などといった先輩たちや看護師たちからのキツイお言葉が怖すぎた。

 又、24時間夜も昼も同じ体制で動き続ける救急外来という部署にしてみれば夜の病院だろうが昼の病院だろうがそんなものは「どうでもいい話」という事情がある。

 勿論夜勤の時には仮眠休憩があったり昼間の日勤とはやや違いはあるがやる事は同じである。

 それに仮眠休憩といっても直前まで鉄火場できったはったをやっていたのに寝付ける程私は丈夫な自律神経を持っていなかったようで一分でも眠れた試しがなく、あっという間に自律神経失調症になってしまった。

怖いのは盆と正月、ゴールデンウイーク

 むしろ他の病院が診察を終えてしまっている夜、ここしかないとやってくる患者さんで溢れかえる夜の方が本分という話もある。

 救急搬送されてきた患者さんは即診察に入れる事が殆どだったが、自力で外来までやってきた患者さんは失神するとか呼吸困難を起こすとかいったよほどの事がない限り

「何時間でも順番待ち」

というかなりツラく、患者さんにはある意味怖い原則がある。

 生命に関わらないケースに対して救急外来が注げる労力は最小限なんである。生命に関わる事態に全力で即応できなければならないという理由からだが、生命に関わらなくとも苦しんでいる患者さんだって当然存在する。

 待合で吐いたくらいでは順番は変わらず、ビニール袋を下呂袋として患者さんに渡して吐しゃ物は私達が処理しておしまいである。

 コロナとかノロウィルスとかロタウイルスとか色々問題のある処置で今思うと怖い話だ。

 夜間診療ができる病院というのは比較的医療インフラが整っている私の住んでいる自治体でもそんなに多くはなく、高度な治療ができる所というと更に限られてしまう。

 なので夜は市内全域から患者さんが集まってくる。

 24時間体制とはいえ医療スタッフのキャパにも限度があり、夏は熱中症の患者さん、冬は風邪の患者さん、他の医療機関が休みになる大型連休中の患者さん、とキャパオーバーの要素には事欠かない。

なので、

「内科〇時間待ち」(〇の中には好きな数字を入れよう!「1」とか「2」とかぬるい数字は入らないよ!)

 などといったプレートが用意されているという恐ろしい事になっていた。

 実際、盆と正月にゴールデンウイーク、ついでにシルバーウイークの間は普通の医療機関が長期間の休みに入るので毎日朝から朝まで患者さんがやってくる。

 こちらも倒れそうになるのだった。

 

心をなくすと書いて「忙しい」と読む

 そんな中で忙しく業務をしていれば夜の病院だろうとなんだろうと病院が一つの組織として機能しているのが感じられ、夜の病院と幽霊とかなんだのといった陰のイメージとが全く結びついてこなくなっている。

 先輩からのダメ出し以外に何かを怖がってる余裕なんかないのだ。

 たまに緊急で検査に回す検体を検査部に直接持っていかないといけないとか、地下倉庫から患者さん用の松葉杖を取ってこないといけないといった理由で夜の病院を横断したり地下倉庫までの細い道を独りで歩く事もある。

 灯りを落として真っ暗な病院の長い廊下を一人でとぼとぼ歩くのだが怖いとは思わなかった。

 職業意識は全く無かった私だが、仕事なのでそちらを急がないと先輩から(略)いけないという気持ちの方が勝るのである。

 逆に何かの用事かなんかで同じように病院内を歩いていた看護師さんと鉢合わせてしまい

「きゃー!」

と驚かれた事があった程度である。

でもなんであんな所に看護師さんがいたんだろうなと不思議に思う事はある。外来受付なんて昼はともかく夜中は全く人なぞいないしいる必要もないのだけど。

目に見える怖ろしさ

 実際に私が目にした怖い話というと、職場崩壊であった。

 派遣社員だけが勤務に入っていては何かあった時の責任問題がややこしくなるという事で、正職員の係長が1人だけいた。

 この係長、定年まで1年という事もあってか全く働かない。

ある1日などアルコール綿でキーボードを延々と掃除し続けて終わらせる程やる気がない。かつ隠そうともしない。

 夜勤、日勤、準夜勤とその係長がシフトを組むのだがこれがいい加減すぎてベテラン勢から文句が出ていた。

 文句というよりは係長に食って掛かる程怒りと不満が溜まっていたようで、頭に来たベテラン勢が一か月の間になだれをうって退職する事になってしまった。

 勤務を始めてたった二か月の私がその後の主力として働くしかない状態に追い込まれてしまい、夜勤で自律神経失調症になっていた事もあったので私も専門学校への入学を理由に脱出、いや辞めてしまった。

 緊急性が高く、瞬時にいくつもの処理を的確にこなす能力は私にはないらしく、続けられる仕事でもないと思い知ったのもある。

ぬばたまの闇の中で

自然の闇

 病院の話よりかなり昔の話になる。

 私が大学職員だった頃、農学部付属農場で働いていた話は少ししたと思う。

 農学部付属農場というだけあって、畑や田んぼ、演習林などと大学の施設としては突き抜けた広さがある。

 当時、面積の広い国立大学として東京大学と北海道大学がトップ争いをしていたのだがあれも付属農場(演習林)がだだっ広いからだ。

 ちなみに現在は北海道大学がトップである。

 さすがに大学の中心部にそんな施設があるわけがなく、大学の辺境というか端っこもいいところに付属農場は位置していた。

 周りには他の建物もなく、夜の付属農場は研究室や事務室のある管理棟を除くと目の前もろくに見えなくなる暗闇につつまれる。

 どれくらい暗いかというと、残業などで遅くなって管理棟の灯りを全部落として帰ろうとすると管理棟の外階段すら見えなくなり、懐中電灯がないとまともに帰れないレベルという事で察して欲しい。

 夜間灯りを過剰につけていると作物や家畜の生体リズムに悪影響を及ぼす可能性があるから街路灯などの整備は敢てしないのだと説明された事があるが、私は単に大学本部から金食い虫としか認識されていなくて予算を回してもらってないだけだと思っている。

闇の中に分け入る心境

 ある日、一人の学生さんが自殺した。

 それも、付属農場の管理する山の中で。首を吊ったらしい。

 山には細い道というか獣道のようなものがあり、学生寮につながっているためショートカットとして山道を抜ける学生さんはちょこちょこいた。

 が、そんな所に街路灯など設置されている訳が無く、真っ暗な中山に入っていくのは何もなくとも怖いものだ。
 
 なので、夜にその道を通ろうとする人はまずいない。

 その、細い道をつたって山の中に入り、木にロープをかけて吊ったという。時間はおよそ朝の四時ごろ。

 朝四時というとまだ深夜であり、農場内は職員の自分でも怖いなと感じるくらいの真っ暗な闇の世界である。

 その中を山にわけいり、首を吊ったという。

 私は、自殺したというその事よりもその闇の中に入っていった学生の心境を考えると怖くなるのだ。

 気にもならなかった程思い詰めていたのか、場所がそこしかなかったので怖々と山に入っていったのか。

 どちらにしろ分かりたくない。

オチ

 ま、その数年後自分も首吊り自殺未遂を起こすのだがそれは別の話。

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コメント一覧 (2件)

  • 怖い仕事は、世の中にたくさんあるのだなぁ。
    当時、分娩件数2000件以上という病院で勤務していました。
    救急外来と同じレベル。
    飛び込み外国人も、土地柄いました。言葉がわからない上に、感染症持ちの可能性があるので、怖かったです。

    怪談話は面白いですね。
    当然、人怖野方が数倍怖いですが。

    お疲れ様でした。

    • まどかさんコメントありがとうございます
      分娩数、とんでもない数ですね
      消耗しきってしまいそうです

      救急外来には外国人の患者さんもいて英語が話せるという事で対応させられてましたが、請求金額を見たイギリス人が
      「マジか!」
      と驚いていました。彼にはこの体験が恐ろしかった話になるんだろうなと思いました

      世の中怖いことだらけですね
      四苦八苦という言葉が身に染みます

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