国際ロマンス詐欺に怒られキレられるひろぽん

　国際ロマンス詐欺、流行っていますよね。
ついに私の所にもやって参りました。

　ですがこんな展開になろうとは予想もできませんでした・・・

　某ラジオ番組に事の顛末を投稿した所、見事採用されました。馬鹿な体験のしるしです。

（2024年8月15日初稿）

始まりはfacebook

その①　Facebook経由でコンタクトしてきます

　ある日、Facebookのトップ画像に使っているかのん（😹、シンガプーラ♀、享年15）の写真に

「可愛いですね、私も猫が好きで飼っています」

とコメントが付きました。知らない人ですが、悪い気はしません。

　相手は20代後半くらいの中華系美人といった風情です。猫を飼っているとの事で

「名前はなんというのですか」と尋ねると

「雪菜です」どうやら猫の名前でなく自分の名前を聞かれたと勘違いした様子です。

友達申請が雪菜さんからきたので承認しました。

その②　相手のプロフィールを確認しましょう

　雪菜さんのプロフィールを見に行きます。

本人が言っていた通り、新嘉坡（シンガポール大学）卒業とありますが他の情報は一切ありません。

友達も、何つながりなのか分からない人が5人程度しかいません。

　「大阪市在住」とありますが、それにしては日本語が生活が怪しいレベルで不自然です。

その③　見極めが大事

　可能性として複垢を使っているなどの可能性を考えましたが、プロフィールには台風の中の網戸並に大穴が開いています。

「これはあれだな、いわゆる『国際ロマンス詐欺』のカモを探してアプローチをかけてきたな」

　と、楽しむ事に決めました。（犯罪者を遊んで楽しむ事はやってはいけません）

LINEに誘われる

その①　一対一で話せるLINEに誘われる

　雪菜さんはしばらくして、LINEを交換してLINEでやり取りしましょうと言い始めました。

新宿歌舞伎町で客引きが「この風俗案内所を通してうちの店に来ませんか？」と誘いをかけてくるようなものです。
（分からないならお父さんかお母さんに聞いてみよう）

　面倒なのでLINEは使っていないと答えたのですが、

「今LINEを使わない人はいませんよ。私はLINEで話したいのです」

頑固な雪菜さんです。

「LINEに加入してきました」

柔軟な私。早速メンバーに雪菜さんが入りました。

その②　合成写真や合成音声で挨拶

　LINEがつながると、いくつかのファイルが送られてきました。動画ファイルがいくつかと、音声ファイルが一つです。

動画ファイルには、オフィスのような空間を歩く雪菜さんの自撮り動画が入っていました。

　音声ファイルですが、再生してまず驚きのあまり顎が外れかけました。「はじめまして、よろしくお願いします」と日本語で挨拶しているのですが、その声は初音ミクの前で五体投地を百八回やって謝りなさいと言いたくなるような合成とまるわかりの人工音声。しかも酒焼けしたおっさんみたいなしわがれ声。

　Googleアシスタントでもまだマシな日本語をしゃべるという酷い代物でした。

　雪菜さんに「あの音声ファイル、人工音声？」と後で尋ねると

「違います、私の声ですよ」と強気な調子で返ってきました。残念なのかどうかは自分でも不明ですが、完全に嘘ですねこれ。

その③　個別トークで根掘り葉掘り

　雪菜さんはLINEでは仕事と副業などの収入について詳しく聞きたがります。

私が障害年金と障碍者雇用で暮らしている事を伝えると

「お仕事はできてるのですか」
「年金はいくらぐらい貰えるのですか」
「障害は身体に残るほど酷いのですか」

　質問ぜめです。

　どうやらここで懐具合を見積もっている様子です。

友達から削除され、ブロックされるひろぽん

その①　ほどほどに距離を取ります

　プロフィールを見てこのアカウントはあやしいと思いましたが、LINEで送られてきた電気グルーヴが音源を作ったのかと思うような酷い音声ファイルで間違いなく雪菜さんはクロであると判断し、連絡は向こうから来たときに返信するだけにしました。

　日本語下手だし、投資で食べてるとか怪しい事を言ってるしで真面目に相手する意味が無かったんですよね。

その②　仕事を理由に返事は控え目に

　返信が遅くなったりした時の言い訳は、

「仕事が忙しくて返事ができませんでした」の一本のみ。

仕事はIT関係と言っており、仕事の都合で家に帰る余裕もなかったりするのだとこちらが相手を言いくるめる始末。

その③　「あなたは失礼な人です」

　週末三日間、一切返事をせずにいた後で

「仕事が忙しくて返事ができませんでした」

とメッセージを送ると、雪菜さんからは

「LINEの返事を三日もしないなんてありえません！　あなたは失礼な人です！　さようなら」

と大変お怒りの伺えるメッセージが届きました。

　そしてそれから5分の間にFacebookの友達関係からは削除され、LINEはブロック、友達リストからは脱退と避難訓練の模範演技かと言いたくなる手際の良さで雪菜さんは私との関係をシャットアウトしてしまいました。

その④　え、これからが本番じゃないの？

　その時の私の頭の中にあったのは大きな大きな「？」マークでした。

ロマンス詐欺って手練手管を使って相手を骨抜きにするもんじゃなかったの？

これから頑張って私をメロメロにしてくれるものとばかり思っていたのに、怒られるわ常識知らずだと言われた挙句に向こうから連絡手段を全部削除されるのっておかしくないかなあ。

　まあ、三日も放置されていたら怒るのも無理はない。が、それをおさえてこちらにどういう風に出てくるのか楽しみにしてたのに・・・

　そんな事をやっていたひろぽんは、今度は振り込め詐欺に遭ってこちらも相手を怒らせて電話を切るという危険な遊びをしていましたとさ。