今、ネットが近所の町内会ネットワーク並の密度で張り巡らされている時代である。昔ならばわざわざ外国まで乗り込んでいって身につけなくてはならなかった本場の知識や情報、ネイティブスピーカーの言語学習環境が自宅の部屋からすら出ない強者にも手に入る。
なのに海外留学はコスパが悪いとかなんとか言われて勢いが落ちる事もさほどない。正確にいうと日本人が一番海外に留学していたのは2019年だかの話でその後激減するのだがこれはコロナのせいだから仕方がない。
私は非常にマヌケな事に留学先の語学学校で勉強を始めて帰国し、働き始めてから
「あれ?留学といっても色々選択肢はあって選ばなきゃだめだったんじゃ?」
と気づき、その事を日本に帰ってきて30年近くたった今も考え続けている。愚者の経験であるが、参考にしてほしい。
まず留学って必要か?
留学はそもそも時間もコストもかかる。仕事の必要(楽天モバイルの何に必要なのかは知らん)にせまられて英語を学ぶ哀れな楽天グループ社員や大学などを休んで実験や研究に穴をあけられない学生だってたくさんおり、そういう需要を満たすために古くはNHK英会話から英会話スクール、最後には
「聞き流すだけでOK!」とゴルフの石川遼君がラジオでCMを打っていたス〇-ドラーニングまで様々な語学学習ビジネスはあったんである。
何せ、第二次世界大戦で無条件降伏した直後の日本で爆発的に売れた書物が「英会話」の本だった時点で日本人はそこそこ流れに乗りやすいカモだった伝統がある。
オンライン英学習
それから90年近くたち、メディアの発達に伴って
「楽に英語を身に着ける方法」ビジネスは格段の進化を遂げた。
「英語脳」という言葉を耳にした事があるだろうか。
耳に入ってきた英語を頭の中で日本語に翻訳してワンクッションおく事なくそのまま理解する、脳が英語という言語に順応した状態の事であるが、今は大学入試共通テストでもリスニングが重視される昨今である。
ネットの上は「英語脳」とその作り方、有料学習コンサルタントの広告、「英語脳」作りアプリの紹介、YouTubeには「聞くだけで英語脳が出来る〇〇分動画」とその界隈で商売をしている人間にとっては紅海並のレッドオーシャンとなってしまっている。
ちなみにレッドオーシャンというのはマーケティング用語で、競争相手の少ない穏やかな市場の事をブルーオーシャンと称するのに対し競争相手と血みどろの争いが絶えない非常に競争の激しい市場の事を指す。
例えば学生時代のバイト仲間だったマツダ君(仮名)は関西外大のミャンマー語学科に在籍していたが、ここなどは競争相手もなく絵に描いたようなブルーオーシャンだったといえる。
ちなみに今激アツなのは、ネットで予約したネイティブスピーカーと差しでフリートークやお題を決めてトークセッションをするオンライン対話授業である。
多人数の英会話教室のように気を抜く事もできず、へらへらしてごまかそうにも逃げられない。必死で脳みそを振り絞ってセッションを終えると物凄い疲労感に襲われるらしいがそのガチさ加減がトレーニング好きの日本人にはたまらないのだとか。
ま、週に一回一時間ぐらいそんな事をやった所で疲れるだけである。
その一時間を除いたら全て日本語環境に囲まれて生活して思考しているので脳は慣れ親しんだ日本語環境に喜んで戻っていくのが当たり前だ。学習した事を忘れずにいられる優秀な脳みその持ち主でもないと役に立たない上、そんな人はそこまで追い込まなくても英語はできるようになるんである。
ラクに身に着くのは脂くらい
ここでいささか古くて申し訳ないのだが、ゴルファーの石川遼(これも知らぬ人がもう多かろうに)がCMをやっていて日本中を席巻した
「聞き流し続けるだけで英会話がスラスラ出てくる!脅威のス〇ピードラーニング」
なるCD教材について触れておきたい。
この教材、日常生活から車の運転中までひたすら耳を傾けずとも再生し続け、そのうちに収録されている英会話の内容が無意識に頭に入ってきて気づいたら自分でも知らぬまに口からCDの内容が口をついて出てくるという
「門前の小僧習わぬ経を読む」
メソッドであるが、もしこれが本当に役に立つ教材だったとしたら大変な事になっていた事になる。
単純な話、洗脳である。
例に出すと、運転中周囲の車の流れや状況に無意識ながら気を配っている所に記憶にすりこまれるレベルで英会話が侵入してくるんである。そんなもん注意力散漫になって事故多発の引き金になるにきまってるではないか。
多少なりとも人間は対象に注意や意識を向けるからこそ記憶領域にものごとを留めておけるのであり、それもしないでただ身につくのを待っていても付くのは脂ぐらいなものである。
当世語学留学事情
私が留学してから20年近くたち、その間に世界情勢も大きく変化した。それに伴い、語学留学の世界も大きく変化しているというので少し触れてみたい。
ファスト留学
英語を公用語としているのは別に米・英連邦だけではない。身近な所でいえばフィリピンなんかも公用語に英語が入っている。当然現地訛りが酷くそこで適当に身に着けた英語なぞまともな世界で通用するものではないが、世の中も発展するもので現地にきちんとした英語を学んだ英語教師が存在するようになりレベルの保たれた語学学校が設立されるようになっている。
私が以前コールセンターの奴隷として働いていた時一緒のシフトに入っていた大学生がいたのだが、彼は契約期間が終了したらフィリピンのセブ島にある語学学校に留学するのだと語っていた。
まあ、セブ島といっても治安のいい地域にある学校らしいので無事留学を終えて帰ってきている事を祈る。
他にもフィジーやニュージーランド、カナダその他英語が公用語として使われていてアメリカやイギリスのように物価が高くない分滞在期間も延ばせるが、なにぶん経験者の母数では勝てず情報不足で損をする者もいる。
異文化体験とアメション女優
日本にいながら英語学習の方法は恐ろしく広がったというのに何故留学する者が後を絶たないのか。
単純な話で、その言語をベースにした文化圏で生活する方が吸収力も伸びも違うからである。日本語が通用しないイギリスで私はどうしたかというと、難しい話をするときは和英辞典を使ってあらかじめ下書きを作って交渉し、そうでない時はある時は必死になり別の時には適当になりつつ英語を使い続けた。
又、その言語を使った文化圏での生活への憧れもありイギリス文化の中で暮らしてみたかったのである。
今、日本のアニメや漫画に夢中な外国の若者が日本で暮らしてみたがるのと同じ構図である。
で、いきなり出てきた「アメション女優」なる下品そうな言葉だが、安心してほしい。下品な言葉だ。
第二次世界大戦後、日本がまだ貧しかった時で外貨制限といって自由にポケットマネーですら海外に持ち出せなかった時代の頃の言葉で、当時の超有名な銀幕スターが渡米し、特に何をやるという事もなく「アメリカ帰り」という箔だけつけて帰ってくる事が一時流行ったのだ。
それを
「アメリカに行ってションベンしてきただけの女優」
という意味で
「アメション女優」
と揶揄していたのである。
イギリス文化に憧れていた私にとっては、イギリスで暮らして帰ってきたというのはそれだけでも垂涎ものの話であり、そういう見栄も手伝ってはなからアメリカ留学なぞ考えずロンドン留学しか目に入らず、箔をつけたかったという事でもあり
「メンタリティは変わらねえなあ」
とここで触れた次第である。
六話目にしてようやく学校に行く
パトラッシュ・・・もう疲れたんだ
本当なら今回で学校にまで行ってしまおうと思ったのだが、語学学習と留学事情についての解説がかなりしんどかった。
真面目に書くしかない内容であり、疲れたんである。
と、いう訳で次回は必ず学校に行きます。
コメントをもらえるとうれしいです
コメント一覧 (6件)
スピードラーニング!!笑
しかも、予測変換でスピードラーニング出たのがさらに面白いデス。
ああ、めっちゃ懐かしいです。まだこの教材売ってるんですかね?
ちなみに私は【ドリッピー】という水のしずくの坊やが旅に出るヤツの教材を買いました。
もちろん、数回聴いて即終了。
あの頃メルカリがあったら、即売ってます。笑
では次行きます~☆
まかさんこちらもコメントしてくれてはる~ごめんなさい
でですね(急な話題転換)、スピードラーニングについてググってみたらこんな記事が
あの「スピードラーニング」がオーディオブックで復活。倍速再生でさらにスピーディに(ケータイWatch)
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/column/teppan/1403883.html
事業を2021年に一旦終了していたのが、スマホアプリというプラットフォームに乗り換えて大復活!らしいです
まあCDガチャガチャやるよりスマホなら操作も楽だし使い勝手も良くなってるでしょうね
まあ、話せるようにはなりませんが(こちらは別系統の経験値が必要です)
家出のドリッピー、お高かったのでは?
小耳にはさんだ話では面白いお話しをコンテンツとして提供する事で何回でも聴いて飽きない教材になるとかかんとか聞いたような
正統派の教材ですよね
目を潰し鼓膜を破って石窟に籠るとか根本的に間違ってる方法を取らない限り、ある程度の時間と集中力をかけてやれば英語はある程度の所までいけます、たぶん
語学の才とか向き不向きとか個々の得手不得手はあるんでしょうけど
私は今、「安物中華スマートウォッチで遊んでみた」で最後に買った時計をメルカリでうっぱらう予定です。靴とかモッズコートとか今まで売った事はあるんですがかさばるものは送料が馬鹿にならんのですよね。
おはようございます😃
学校のお話は、私の期待も、勉強の仕方ではなくて、学校での逸話ですかね〜笑笑
田中絹代!
古いお話ですね。私も知らん…。
外国人の恋人ネタ、知りたいです。
30年前は、1人でロンドンを歩くくらいの英語力があったのでしたら、断然私よりかなりかなりすごいと思います!
分娩周辺の英語は、デフォルトがあるのですよ。緊急事態では、もちろん日本語になっちゃいますよ😛
この先も、楽しみにしていますが、無理をせずに…
おはようございます?
語学学校の話になっても画期的な学習法の話にはならないです💦
なぜなら自分がそういう学習法に出会わなかったからで、留学を軸にしたよもやな話になるしかないのです
私は語学学習のエバンジェリストでもないですしね(留学時の友人にはTOEIC990点とかのオバケもいました)
分娩時のテンプレがあるのは助かりますね
最終的には日本語になるあたり修羅場なのだろうなと想像させられますが
TOEICでしか自分の英語力が示せないのですが、800点くらいあって現地で暮らしていれば何とかなるものですよ
ケンブリッジ英検という資格があり、そちらは見事に落ちましたが、まあ色々理由はあるのです
いやぁ〜
私、スピード◯ーニングも、英会話スクールにも行き、更にレア◯ョブにも手を出しました。
そんな私は間違いなく、カタコトでありその場をなんとか乗り切るくらいの英語力です。
現場でなんとかする英語なら、なんとかなりました。英語で分娩介助をする程度。なんとかしないとならないので、なんとかするための英語です。実際に、なんとかなりました。
アメション女優という言葉は初めて知りました。松田◯子も多分それ。あ、違ったかな?彼氏だから浮気相手だか、そんな相手でしたっけ?
外国人の恋人を作るのが1番だと言われていましたよね。本当かどうかは知りませんが。
やっぱり、どっぷりと外国の文化にふれながらの方が、面白いのではないですかね。
留学とは面白いですね。いろんな切り口がありそうですね。
次回はいよいよ学校に入学ですね!
また新たなネタが出てくるのが楽しみです。
待ってまーす‼️
まどかさんコメントありがとうございました
色々語学学習には苦労されたのですね
それだけ必要性に迫られてたのでしょうか
実際の分娩で咄嗟の判断で使いこなせるのは凄いなあと思いますよ
ちなみに私は今はカタカナ英語もろくに話せません
30年近く一切使わなかったから忘れて当然なのですが💦
アメション女優はもっと昔ですね
1950年頃の田中絹代とかそんな時代です
松田〇子かどうかはともかく、日本人アーティストの海外公演のからくりなんかもネタにあるので書きたいですね
あと、外国人の恋人を作る話もネタはあるのですよ
勉強以外ならほんとに色々あるんです
勉強ってそうそう変わったやり方なんてないんですよね
なので学校については書いても勉強については書けないかもです