100均業界ナンバーワンの地位を守り続けているダイソーであるが、商品数が多すぎて欲しい商品を扱っている所が見つからないなどダイソー愛に溢れるユーザーは不自由な思いを耐え忍んできていた。
ついにダイソーがオンラインショップを開設したというニュースが飛び込んできた。
早速私もかけつけたものの、ダイソーの良く分からない漢らしさ溢れるアグレッシブさは隠そうとしても隠しきれない事だけよく分かった。
(2021年8月8日初稿
2023年12月20日大幅に加筆修正)
金がないのは首がないのと同じや
訳のある貧乏も正しくはない
人間、認めるのが難しい事というのは色々あるのだが、プライドに関わる事については特に認めようとしないそうだ。当然ながら私にも
「モテない」
など認めたくない事は多い。
お金がないという事は更に認めるのがつらい。
自分は貧乏になったんだなあとしみじみ思った。
買い物にショッピングモールなどを使わず、まずはダイソーなどの100円均一で何とかならんか考えるようになっていたのだ。
実際、我が家に猫のカノンがやって来たときも、猫用ケージが高かったのでダイソーで買ったワイヤーネットをインシュロックで結びあげて作ってしまった。
金持ちに理由あり、貧乏に理由ありと言うが、貧乏が身に沁みついたのは専門学校に入学して鍼灸師の勉強を始めてからである。
夜間学校での勉強と昼間の仕事を両立させる前提に始めた学生生活だったが、授業と両立させられる40代後半のおやじにつとまる仕事がなかなか無かったのだ。
専門学校の扉をひらけ
専門学校への進学を考える前、私は某大病院の救急外来で受付を派遣社員としてやっていた。救急外来は24時間回っているので当然職員も24時間勤務である。
某大病院は方針として、24時間勤務で夜勤のある業務だけは派遣会社に委託して9時5時のいわゆる「まっとうな」業務は正職員だけというウイグルの中華人民解放軍もにっこりしかねん差別政策を取っていた。
おまけに聞いてもいない救急車の運転(病院敷地内での移動限定である)をさせられて車体にこすった傷がついたと文句を言われる始末。知らんがな。
とりあえず、タクシーでやってきた患者さんが動かないと聞いて見に行ったら死んでたりするような仕事はうんざりだし、他の一般病院が休みの時にすべての責任を背負わされるのにも嫌気がさしていたのだ。
それなりの収入にはなるものの所詮使い捨ての派遣である。
今の仕事の嫌さと暗い未来予想図に閉塞感を覚えていた時、親から専門学校で資格を取ってセカンドキャリアを考えてみてはどうかと諭された。
これ幸いとばかりに鍼灸師の夜間コースに通う事を決め、ファッキンな仕事とはルパン三世並の素早さでおさらばした。
ザ・ジョブホッパーひろぽん
仕事と学業の二刀流
その後、学業に影響しない範囲でできる職を第一条件に仕事を求めてきた私である。
が、ろくな事にならない。
世間の評判通り辛い仕事であったコールセンターのオペレーターで精神を病んで解離性同一性障害を発症して退職したのを皮切りに、某ファーストフード店で物覚えの悪さを理由に3か月で首になってみたり、ようやく決まった理想的な仕事もコロナウィルス禍による解雇などまともに仕事が続かない。
まあ、ここまで職を転々としたのにはちゃんとした理由がある。
単純な話なのだが、
「頭が悪い」ので「学業優先」にせざるを得なかったのだ。
さすがに50年近く使っていると脳もスペックダウンが著しく、記憶力や理解力が追い付かない。
麒麟も老いぬれば駑馬に劣るという。
おまけに心身の不調まで抱えている状態ではもう溺れずにいるだけで手一杯である。仕事以外の時間をほとんど学業に注ぎ込んで必死で勉強した。
が、人の三倍ぐらい勉強しても追いつけない始末。福一原発並にポンコツな頭に悩まされる私。
バイトのシフトは最大限削り、きょうび高校生ですら小遣いに稼いでいるだろうという程度しか働けない。
ここでダイソーが登場する
人生で最も貧乏だった頃
学業という枷がかかっている限り、収入は増やせない。
そんな生活を二年以上続けていると必要品はまず百均で済ませる事を考える。
ちなみに2020年の年収は40万円程度だった(非課税)。良く生きてたな、当時の私。
ダイソーで全てを済ませるように考えるのも無理はない。
ここからダイソーの永続ターン
話は急にダイソーの話一本になるが別に自分の貧しさをこれ以上つづっていても落ち込むだけなので続けない。
当のダイソーであるが、本来の豊富な品揃えに反して実店舗ではスペース上ラインナップは限られている。
おまけに在庫確認の問い合わせも受け付けていないので欲しい商品があってもどこで買えるか分からない。
廃番になったのか店舗が仕入を止めたのか在庫切れなのかすら分からないというのは店も客も互いに商売にならない。
なのでオンラインショップが欲しいという声は前からあったんである。
というか、ダイソー勤務経験者はその糞なIT施策っぷりに怒りを抱いていると耳にしたりした。
そんな折、ついにダイソーがオンラインショップを開設したという。
担当者の脳はエッセルスーパーカップ
皆喜ぶし何より私も喜ぶ。
と、期待してオンラインショップを開いてみると
「基本的に10個1単位でのご注文しか御受けできかねます」
あの・・・この仕様考えた人脳みその代わりにエッセルスーパーカップでも詰まってるんでしょうか。
電池みたいな消耗品はそりゃまとめて購入しても損はない。いや、まとめ買いだと液漏れとか起きるからダメか。
その上、ボールペン10本1セットを10セット、つまり100本一気に買うのは単なる損である。最後の一本を使い切る頃には経年劣化で書けなくなっているだろう。
デッキブラシが1本あればいいのに10本まとめて買うのはバカもいい所である。
しかも送料無料になるのは購入金額合計が1万円を超えた場合である。そりゃ1つ600円の商品が欲しいのにそれを購入するのに10個、6000円支払っていれば1万円はすぐに超えるだろうけど・・・
商品の注文キャンセル、支払方法の変更、数量変更などといった通常のオンラインショッピングなら備えていそうな機能も実装されていない。
全てにおいて方針がおかしいかシステムが狂ってる。
ひょっとして、これで100均界のアスクルやモノタロウ、もしくはヨドバシドットコムにでもなるつもりなのか?
モノには限度があるという話
さてここで突然ですが、ある修羅場で修正を求められた某有名クリエーターさんのお話です。
修正を求められたその方はブツを見た後
「あのなあ、ステーキにどんだけ手を加えてもケーキにはならんのや!」
とブチ切れたとかなんとか。
ダイソーが何軒集まってもキングダイソーにもならないし、アスクルにもなれんのや。
しばらく見ない間にオマエ…変わったな
お前本当に昔のあいつか?
と、いう内容のブログを書いたのが現在(2023年12月)の2年前である。
その後どうなったかと「ダイソー オンライン」で検索して令和最新版のダイソーオンラインショップをのぞいてみた。
…いやあ、驚いた。
全くの別物に進化していた。
例えるならたこ焼きがだし汁にふわふわ浮かぶ卵焼きである明石焼きに変わっていたようなものである。そりゃ驚く。
商品は一個単位から注文できるようになっており、なんとチャットbotまで実装されて立派なECサイトになっていた。
かって私が見たダイソーオンラインショップは
「ダイソーまとめ買いオンラインショップ」と看板を掛け替えて相変わらず注文単位が
「1セット20個入り」
などとおかしな事になっているが、何せまとめ買いショップだと宣言しているのでそれはそれで必要とされる場面もある。
隠しきれないダイソー魂
以前私がこの企画を立ち上げた社員の頭にはアイスまんじゅうでも詰まってんのかと思ったのは、1個あれば十分という一番ありふれているユーザーを無視し、10個単位で買わないなら客じゃないというサイトしか用意していなかったからである。
要は顧にとってて選択肢が与えられているかどうかという話だ。
しかもチャットbotまで実装されていてオンラインショップのシステムについて答えてくれるのだが、商品を置いている実店舗を知りたいとか近所の店舗に入荷するか知りたいといった
「ダイソーが用意した想定される質問」
に対して
「ご対応できかねますので店舗に問い合わせてください」
と商品のかわりに喧嘩でも売ってんのかというbotの塩対応ぶりに度肝を抜かれた。
あくまで在庫照会には答えないというダイソーのポリシーが隠しきれずに見え隠れしている。
ダイソーはどこを目指すのか
で、オンラインショップの進化っぷりに驚かされたのだが上には更に上があるのだった。
「ネットストア・オンラインショップ・大量注文」専用サイトである。
なんとこのサイト、最低300個からの注文でないと受け付けない。
そのかわりというか、品切れになっていて上にあげたオンラインショップでは入手不可能な商品も可能ならば調達してきますという漢らしい姿勢である。
もうB to Cの小売り業ではなくB to Bの企業間の取引専用サイトのような有様で、まずサイトを訪れた顧客は自身の名前や所属、連絡先と徹底的に身元証明をしないと商品すら見られない仕様になっている。
まあ、300個以上注文されて用意したらドタキャンされたなどとなったら担当者の価値が100円以下に急落するのは間違いないのでこれでいいのだろう。
が、どうしても「11,000円以上お買い上げ」でないと送料を無料にしなかったり、その割に本州・四国は送料有料とはいえ770円と安価なのだが北海道や沖縄などちょっと手間のかかる地域への送料がえげつなかったりとダイソーのよくわからないアグレッシブさは健在なのだった。
コメントをもらえるとうれしいです